たかが23年強の人生で、「生涯で」とか言うと、”若造が何言ってやがる”って思われるのかもしれないが。
俺にとってはその23年が人生の総てでありそれ以前もそれ以上もしらないんだから仕方がない。


人生最大の決意は。

”一生を一緒に生きてくんならコイツとがいい”

そう思ったからこそ決めた結婚だったと思う。
正直な話、あまり恋愛の経験は豊富じゃあない。
女の子の喜ぶ演出は好きだから、相手をその気にさせるのは結構得意なつもりではあるが。
まだ遊びたいって気持ちもあったよ。
当時20歳だし。

でも覚悟を決めた。
そんなもんと比較しても仕方がないくらいに好きだった。
一緒に幸せになりたいと思った。
愛ってもうよくわかんねーけど、多分愛してた。


人生最大の喜びは。

結婚だったと思う。
籍を入れただけだったけど。
それまでも事実上同棲状態で、一緒にいる時間はむしろ短くなってしまったけど。
恋愛関係っていう、いつ切れてしまうかわからない頼りないつながり。
二人でプラチナの指輪を選んだり、「春に入籍するんです」って言いながらそれまでより広めの部屋を探したり。
そうやって確かになっていく絆を感じて。
少なくとも俺は・・・幸せだった。


人生最大の痛みは。

それほど愛した人に裏切られたこと。
信じられるものなんてなにもなくなって。
世界の総てが痛みになって。
自分が存在することすら苦痛になった。

毎朝ホームに滑り込む電車に吸い込まれそうになった。
研修で某工場の見学をしたとき、高圧線に触って死んだら”事故死”なのかなとか頭を過ぎる。
生きてきた意味。
生きていく意味。
なにもかも失って、死ぬことも許されずに。
ただ痛覚の塊になった。


二番目の痛みは。

ただ求めるだけの彼の姿に悩んだ君が、それでも彼を選んだこと。
それだけ好きなんだってこともわかってるよ。
本当はわかってたさ。
俺に対する不満がどーこーってよりも、彼を好きな気持ちが生まれちゃったことが浮気の大きな要因だったんだって。
けれどそれ故に。
君の俺への気持ち+俺と過ごしたいろんな想い出は、所詮は古い過去の記憶だから。
今生まれてる感覚に勝てるはずもないんだろ。

そして俺は、4年分の総てを否定されたわけだ。
「無駄じゃないよ。でなきゃアタシは今きっと生きてないもん」
そう君は言ったね。
4年間俺と生き抜いて、新しい男を見つけるための踏み台にされた気分だったわ。


そして、俺は総てを失った。


死ねるかな。
そう思ったけど。
まだ生きてる。

むしろ。

この世の中にこれ以上の痛みなどあるわけがないから。

総てが生ぬるい。

「妊娠した」って言われても、今なら別にもうダメージ受けねぇ気がするし。
自分の人生全部を賭けるつもりで結婚した相手が、他の男のコトを想って泣いてても、頭撫でながら慰めてやれる優しさとか。
そんな阿呆な強さ持ってんの俺ぐらいだろ。
自分を傷付けた相手にそこまで優しく出来る俺はマゾかもな。

もう守るものも望むものもなに一つないから。

世界がぬるくて仕方ない。

もう君を責めることもないだろう。
もう君になにを求めもしないだろう。
この世界のどんな事象も、致命傷にはなり得ないだろう。
弩級の痛みを乗り越えてしまったから。

ある意味ちょー余裕。

仕事がサクサク進みます。
システム的な問題で詰まっても俺のせいじゃないからイライラしない。
人間関係も問題なっすぃん。
笑顔で「はい」って言っときゃ他人の文句なんか知ったことか。
気遣いと歌だけでも女の子受けはいいようだし。
頼りにされるのは嫌いじゃないしね。
恋愛相談を俺にして上手くいくかどーかは知らんが(笑

寂しさも痛みも消えはしない。
でももう俺を殺せない。

つまんねぇな。
なにもかも。
簡単過ぎて。

暇。

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K

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