目の前に晒された餌を、敢えて見ないように。
意識しないように。

それだけが、自分を抑える術。

「週末帰るかも」

「明日でもいい?」

「来週・・・」

そうして伸びた時間を、君は彼と過ごす。

別れを惜しみながら、そしてまた迷い。
きっと彼を愛しく想い直したりもするのだろう。

割り切れる程大人じゃなくて。
なにも知らない子供でもなくて。
期待させられながら、裏切られる事に怯えて。
今このトキに、「最後だから」なんて言いながらまた裏切られてるのかもしれない。

傷付くだけなら考えるだけ無駄なのに。

見えないし聞けないし知りたくもないけれど。

こんな夜をあと何度越えればいいのだろうか。

”おあずけ”喰らったまんま忘れられた犬のように。

愚かに。或いは哀れにすら見える程従順な犬のように。

見ないように。

考えないように。

想わないように。

また今夜も感情を殺して。

俺は俺を見失っていく。

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K

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