力を。

2004年10月10日
連休ど真ん中の日曜だってのに風邪ひいてました。
今は少し熱下がったけど昼間は朦朧としてた。
熱に浮かされながらの浅い眠りで見る夢は。
二人が過ごした幸せな時間と、それを失う痛みの繰り返し。
付き合い出す前の夢・・・てか過去の記憶の再生みたいなのも見たな・・・

当時一番近いポジションにいたのは君のために何かをしたりするよーな男じゃなくて。
あの頃の君は、自分が本当に愛されているのかいつも不安がっていたね。
切ったり、飲み過ぎたり、浮気したり。
不安を紛らわせるための行為と、彼が心配してくれることを確認するための行為を繰り返してた。
俺はそんな君を見ていられなくて。
俺ならそんなことさせないのに。
もっと愛せるのに。
そう思い続けて、君の振り向いてくれない辛い時間を心のお薬として、ただ安定剤として過ごした。
そばに居たいのにそばに居られなくて。
口実を作っては何度も君に会いに行ったね。
「デートじゃないから。友達として遊びに行くだけだからね」
なんて、何度か聞かされて微妙に凹んだっけ。
それでも、一緒に居る時間を作る口実になれば十分だった。

結局、俺はいつのまにかあの頃の彼と大差なくなっちゃってたのかな・・・・
そばにいたくせに、自分のことに手一杯で君の気持ちを確認したりするのを忘れて。
ずっと隣に居る。一緒に歩いてる。って勝手に勘違いして、君を傷付けて。
いっぱい我慢させちゃってたんだろうなって、今更思える。

半日寝て少し熱も下がって、やっと晩飯が食えて。

まだ小雨が降りそうな空だったけど、俺は出かけた。
本気で死にたくなったとき。
人生に迷ってるとき。
覚悟が決まらないとき。
そんなときに行く場所に。

丁度10年前、友達が飛び降りた現場に。

そこは、マンションて名前だけど公団住宅みたいな建物で。
久々に行ったら外装が塗り直されて少しだけ綺麗になってた。
アイツが飛び降りた7階の踊り場は普通に住人が通る場所なので。
そこを過ぎて、屋上手前の踊り場へ。
お稲荷さんとか、氏神さんの類なのかな。
よくわからない神様っぽい像が、いくつか飾られている。
21時を回ってるんだから当然階段からのわずかな光しか届かなくて。
薄気味悪いって言う人もいるかもしれない。
そこに行くだけで、なにか居る。そういう気配を感じる場所。
まだアイツが居るのかもしれないが。
神様の像に軽く手を合わせて。
「ちょっとだけお邪魔します」
小声でつぶやいて、屋上への階段に腰をおろした。

高い建物が少ない宇都宮じゃ、8階からの夜景はかなり見通しが利いて綺麗だった。

「ここから見える景色も変わったな」
「ここもなんか塗り直されたみたいだし」
「みんな変わったぜ?俺も結構変わったけどな(笑」

・・・なんて、中学時代を思い出しながら小声でつぶやいてみる。
この場所に答えが転がってると思って来たわけじゃない。
ただ、自分の気持ちとかがわかんなくなったときに、本来の生き方を思い出すために来るんだと思い直して。

確認したことと。
気付いたことがひとつずつ。

どんなに苦しくても。
生きる意味を見失っても。
死にたいってどれだけ思っても。
俺は自分で死を選んだりはしないってこと。

アイツがなにを悩み、迷い、苦しみ、逝ってしまったのかは俺にはわからないけど。
なにも言わずに勝手に逝っちまったことだけは認めないから。
生きてることの方が苦しいかもしれないけど。
俺はいつか死ぬときまで、この人生を楽しんで、もがいて、やり切ってから死ぬんだって、強く思う。
それでいつかアイツに言ってやるんだ。
「俺はお前が投げちゃった人生ってヤツを楽しんできたぜ」って。
あの世なんてもんがあるのかどーか知らないけどな。

そして気付いたのは。
こうやって、トラウマになってて心の底に澱のように溜まってた気持ちを整理出来たのは、きっと君のおかげだってこと。
「死にたい」って何度も言う君に、身近な人間に死なれる辛さを何度も話して聞かせた。
多分それまで、俺の中でアイツがなにも言わずに一人で死んだことは、ただ許せない怒りの対象で。
整理がつかないまま心の奥で膿んでる傷みたいなものだった。
俺自身の心の傷を、君は覗き込んで、何度もこじ開けた。
それはとても苦しかったけど。
心の中の癒えないままだった傷を、君がそっと包んでくれた。
今落ち着いて、アイツの生きてたこと、悩んでたこと、死んじまったことを考えられるのは、きっと君が俺の傷を癒してくれたから。
俺も君の心の傷を、何度もこじ開けたね。
ちゃんとフォロー出来てたのか少し不安です。
俺は君の心の傷を、少しでも癒せたかな?
あんなに愛してくれてたのに。
あれほど愛していたのに。
なんでこんなんなっちまったんだろうな・・・・

しばらくそこで想いを廻らせて。
「アイツをお願いしますね」もう一度手を合わせて、そこをあとにした。

今日は名古屋に行ってたのかな?
実家に行かないのなら彼と二人で行ったのかな・・・・
二人の想い出がたくさんある街で、君はなにも想い出さないのかな・・・・
メールも返ってこない。
寂しい・・・なんて、どこの乙女だよ俺わ。

そして心の奥の闇が、また俺を苛んでいく。
自分でも馬鹿馬鹿しくなるくらいの不安定。
心の軸になってたはずの存在が居なくなっちゃったんだからグラつくわな(苦笑
きあいだーがんばれおれー
セルフ充電は、ちょっと疲れる。

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K

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